


鉢植えを置いていた棚の、パイプ部分に巣を作っているハキリバチです。棚は、元々は祖父の死後に祖父のガラクタ置き場から発掘した何かよくわからないもので(昔使っていた二人乗りのブランコを解体したものではないかという話)、パイプ部分が切りっぱなしというか閉じていないのでそこへ入り込んでいました。棚の上にはバラの鉢植えを3鉢置いていました。ハキリバチはそこからは切り取らず、数メートル離れたバラへ切り取りに行き、何度も通っていました。ハキリバチはあちこちのバラを回ることもあるけれど、このときは一種類の同じバラに集中していました。


わたしが見たときは既にパイプの中は葉がいっぱいではみ出しかけており、少し手で触れるとほろほろと崩れるように零れ落ちました。もう卵を産みつける部屋を作る場所はなさそうなのに、それでもなお葉を詰めようとするのでこの子あほなのかしらと思っていたのですが、日本蜂類生態図鑑(講談社)に“蜂がいくつかの独房を直列しおえて、なお坑道に空間が残っている場合に、防塞用にその空間に充填するのがみられる”(そういう独房を包む葉片を納めている空間の隙間を充填している卵形片が充填葉片)と書いてあったのでそういうことなのかもしれないと思いました。

内部の様子です。わたしが葉を落としたので、少し空間が出来ています。 また再度葉が詰められました。

ハキリバチが葉を詰め込む様子を近くでしゃがみ込んで見ていたら、突然「んーーー」という高い音が聞こえてきました。その音は通り過ぎずにずっと一定の音量だったので、耳鳴りかな?と思いながら近くを見回すと、一匹のハエがホバリングをしていてわたしの近くの空中で止まっていました。しばらくしてスッと近くへ降り立ちじっとしていました。

ハキリバチは特に変化はなくすごい格好で葉を詰めていました。

近くに止まったハエです。留まっているのは錆びたバケツのも持ち手部分です。

最初に見たときはハキリバチの巣とは別の方向を向いていたので、関係があるとは思っていませんでした(この頃は寄生バエのことを知りませんでした)。



ハチはぐいぐいと葉を押し込み、縁に沿うように折り込んでいました。細かく震えるような動きでした。

ハキリバチが葉を詰め新しい葉を調達しに行った隙に、ハエがぴょーんと入り口に降り立ち、スッと中へ入りました。あちこち飛んでその流れで、というわけではなく、目的はこの場所というのがわかるストレートな入り方でした。わたしの目の前で、ハエが、空き巣を働いた。




内部に入って、少しうろうろして、すぐに出てきて、移動し近くへ止まりました。何かしていた様子や内部の変化はなかったように見えました。その様子は「そそくさと」という言葉がぴったりでした。

ハキリバチが葉を抱えて戻ってきました。

特に変化はなくまたすごい格好で葉を押し込んでいました。




ハエの数度目の侵入後、出てきたら、中に何か落ちていました。白い幼虫が3匹いて、動いていました。ここでやっと寄生バエなのかと気が付きました。

もぞもぞと動くうちに左の二匹は絡み合うというかほとんどくっ付いて、そのまま離れることがありませんでした。右の一匹はあまり動きませんでした。3匹とも奥へ入り込むかと見ていましたが、その場をじたばたするだけでほとんど位置は変わりませんでした。数分後見てみると、体の一部がへこんで、少し干からびた感じになっており、針で突いてみても動きませんでした。