2021.10.7

他の昆虫を撮影していると、右側からのっしのっしと登場してフレームインしてきました。私が動いてもあまり動じていないように見えました。

眼に何か黒い粒が付いています。

手に乗ってくれるかなと思い、指を差し出すと、恐る恐るではありますが思いのほかすんなり片足を載せてくれました。

かわいいやつめ、と思い手をもう少し指を差し出すと、もう一方の脚も載せてきました。そして顔を指に付けて、しょりしょりと軽く噛んできました。甘噛み!?ますますかわいい!と感激するやいなや、グイッと大顎なのか小顎なのか牙のようなものが指に押し込まれました。しっかり痛い。食べるためなのか攻撃なのかわからないのですが、感覚としては、肉を食いちぎるというより、杭を打ち込んで固定されている感じでした。流石肉食、こうやって獲物を逃さないのだなあ、すごい力だなあ、と思うのですが、痛い。

カマキリの体を指でつかんで引き剥がそうとすると、ますます顎が指の奥へ食い込んできました。これ以上離そうとするとカマキリの体が引きちぎれそうだし、無理やり引き離そうとすればするほど噛みついてきそうだし、もしかしてもう離して貰えないんじゃないか、などとぼんやり考えました。反対の手の甲で、カマキリの体をヒメツルソバへやんわりと押しやるようにして葉に移そうとしたところ、少ししてカマキリがふと我に返ったように葉に移ってくれました。

傷はたいしたことないです。ちょっと血が滲む程度。しかし痛い。

ヒメツルソバに移ったところ。

眼に付いている黒い粒の周りが黒く滲んだようになっています。何か眼に入られているのでしょうか。

不思議だったのがこの後で、カマキリはその場にとどまり、しきりに脚を舐め鎌の掃除をはじめました。そんなにわたしの指は汚なかったのかとショックを受けたのですが、後日「世界のカマキリ観察図鑑」(海野和男著 草思社)に、カメラを向けると鎌の掃除をしはじめることがありそれは転移行動うんぬん、という記述を見つけました。これもそれに近いのかなあと思いました。

わたしはいきなり噛まれて驚くし、カマキリはわけのわからないくそまずいものを口にしてしまうし、お互いに頭の中が「??????」となっていたのかと思うと、カマキリに悪いことしたなと思いました。ネットで検索すると指を齧られている方の動画があったので、ヒトを食べることもあるのかもしれません。